急成長ファームの現場最前線で
活躍する人の共通点とは。
求めるのは
ロジックよりも人間力。
田北 めぐみ、江口 竜也、佐藤 剛
People
代表取締役
三浦 大地
DAICHI MIURA
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現在、多くの大手ファームがIT導入や実行支援に注力するなか、 STCは「戦略フォーカス」を掲げています。この狙いはどこにあるのでしょうか。
三浦
端的に言えば、勝てる市場がそこにあるからです。現在、日本のIT市場は約16兆円と言われています。大手ファームはこの巨大なパイを獲るためにこぞってIT領域へシフトし、実態としてはいわば「高級なSIer」になりつつあります。もちろん、それはビジネスとして合理的ですし、否定するつもりはありません。 ただ、その多くはコスト削減や業務効率化といった“守りの議題”です。一方で、私たちはトップラインを伸ばし、新しい事業を生み出す“攻めの議題”──イノベーションの部分に張りたい。そこにこそ、コンサルタントの仕事の醍醐味があると思っています。 しかし、その結果として何が起きているか。現場のコンサルタントは「戦略を描きたい」と入社したのに、来る日も来る日も大規模システムの導入支援やPMO業務に忙殺されています。一方で、クライアント企業のCxOは、「経営の相談ができるコンサルがいない」と嘆いている。ここに大きな需給のギャップが生まれています。
その空いた席を狙うということですね。
三浦
そうです。16兆円のレッドオーシャンではなく、あえて手付かずになりつつある、1兆円規模の純粋な戦略コンサルティング市場を取りに行く。私たちが目指しているのは、かつてのアンダーセン・コンサルティングのような、企業の売上向上や新規事業創出に直結する「コンサルティングの本質」への回帰です。 具体的には、各業界のトップ5に入るような大企業のCxOアジェンダに絞ってアプローチしています。競合がIT実務に流れている今、CxOのカウンターパートとして「戦略と実行」を担えるプレイヤーは驚くほど少ない。だからこそ、STCは実質的に競合不在のブルーオーシャンを走ることができているのです。
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STCはコンサルティング事業に加え、SaaS事業「Contact EARTH」を展開しています。その狙いはどこにあるのでしょうか。
三浦
私たちはいわゆるエンタープライズ企業の最前線で、高度な経営課題を解決しています。しかし、日本企業の99.7%は中小企業。彼らは高額なコンサルフィーを払うことはできませんが、変革の知恵を最も必要としています。 そこで、私たちが課題解決の最前線で培った経営知見やデータベースを、SaaSプロダクト「Contact EARTH」に落とし込み、月額15万円程度のサービスとして提供しています。一部の大企業だけでなく、日本全体を元気にする。これはいわば、「叡智の民主化」のための仕組みなのです。
エンタープライズでのコンサルティングから生まれた知見がSaaSに蓄積され、また現場に戻っていく。そんな循環をつくっているわけですね。
三浦
その通りです。私は一度、前の会社を上場させた後に引退生活を送りました。お金のために働く必要はもうありません。それでも再び戻ってきたのは、「自分の知見やネットワークを使って、日本の社会課題を本気で解決したい」と思ったからです。だからこそ、単なる利益追求ではなく、社会インフラとなるような事業モデルにこだわっています。
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「叡智の民主化」の具体策として、地方創生にも取り組んでいます。特に社長の故郷である東北での展開に力を入れているそうですね。
三浦
私の故郷である青森を含め、東北は人口減少や低賃金といった課題の先進地です。ここに、単に公共事業でお金を落とすのではなく、ビジネスとして自立できる仕組みを作りたいと考えました。 それが「リバースオフショア」構想です。東北に開発拠点を置き、首都圏や海外の案件をそこで回すことで、外貨を地域に還流させる。安い労働力として使うのではなく、東京と同じ水準の仕事を地方で生み出すことが狙いです。
さらに、2026年にはシンガポールへの進出も決めています。
三浦
国内市場がいずれ縮小していく以上、53兆円規模と言われる海外のコンサルティング市場に進出するのは、企業として生き残るための必然です。日本発の戦略ファームとして、東北のようなローカルの課題と、シンガポールのようなグローバルでの成長機会の両方を取りに行く。 この二軸で考えています。このサイクルを回すことこそが、STCの存在意義だと考えています。
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コンサルタントの働き方についてもお聞かせください。「未稼働ゼロ」を掲げていますが、これはなぜ実現できるのでしょうか。
三浦
STCでは、業界やソリューションで組織を分けない完全な「ワンプール制」を採用しています。特定の部署に囲い込まれることがないため、全コンサルタントがフラットにすべてのプロジェクトへ挑戦できます。手を挙げれば誰でも打席に立てる環境があり、待機している時間など1秒もありません。 「未稼働ゼロ」とは、すなわち「成長機会の損失ゼロ」ということです。大手ファームでは、縦割りの組織構造や社内政治のせいで、優秀な人材がプロジェクトにアサインされずに「社内ニート」状態になることが珍しくありません。これは個人のキャリアにとって最大の損失です。
出社回帰が進むなか、リモートワーク推奨を続けています。その理由はなぜでしょうか。
三浦
私たちは成果にしか興味がありませんから、働く場所や時間はプロフェッショナルとしての個人の裁量に任せています。これはある種の「逆張り戦略」でもあります。コンサルもどんどんリモートワークが廃止されていくなか、優秀な人が働きやすい環境を用意すれば、自然と人は集まってきますから。
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最後に、採用について伺います。 STCでは、どのような人材を求めていますか。
三浦
学歴や過去の社格は一切気にしません。私が重視するのは「キャッチアップ力」です。私自身、高卒で何も知らない状態からビジネスを始めましたが、新しい領域に取り組む際は、まず関連書籍を20冊読んで体系化し、専門家に教えを請い、誰よりも早く仮説検証を回してきました。未知の領域を恐れず、高速で学習し適応できる人であれば、いくらでも活躍できる環境です。
スキル面以外で重視している点はありますか?
三浦
「感じが良いこと」、これに尽きます。コンサルティングは究極の対人ビジネスですから、論理的に正しいだけでは人は動きません。愛嬌や思いやりといった人間力は必須スキルです。 それに、私自身が一度引退した身ですから、一緒に働いていて気持ちの良い仲間と仕事をしたいじゃないですか(笑)。社内政治に明け暮れたり、他者を攻撃したりするような人は、どれだけ優秀でもSTCには不要です。